進撃の巨人・現在公開可能な情報・21~25話


21話 鉄槌 第57回壁外調査(5)

調査兵団の馬(1)

調査兵団に与えられている馬種は、それ専用に品種改良されたもので、体高160cm程度。体重は450~500kg。

 

調査兵団の馬(2)

トップ・スピードは、時速75~80kmに達し、巡航速度でも35km程度で走ることができる。馬は、巨人の足から逃げることができる、ほぼ唯一の手段である。


22話 敗者達 第57回壁外調査(6)

調査兵団の馬車(1)

工場都市特製の複雑なサスペンションが組み込まれた馬車。サスペンションは超硬質スチールで作られており、工場都市以外では複製できない。

 

調査兵団の馬車(2)

調査兵団の馬に引かせた場合の巡航速度は時速20km程度であり、また、悪路でも石畳と変わらない走りを見せることが可能。


23話 微笑み ストヘス区急襲(1)

憲兵団(1)

総数は2000名程度だが、憲兵団の指揮下にある駐屯兵団を加えると、5000名程度が実働兵力と考えられる。

 

憲兵団(2)

各城壁都市には200名程度の憲兵が配備されている。主な任務は、訓練兵団の統括や駐屯兵団の監視、消防の指揮統制である。


24話 慈悲 ストヘス区急襲(2)

ウォール・シーナ(1)

首都であるウォール・シーナにはおよそ20万人が住んでいる。原則として、王室及びその縁者の居住区とされているため、特別の市民権を必要とする。

 

ウォール・シーナ(2)

駐屯兵団や調査兵団で功績をあげることで市民権を得られることもあり、貧しい人々が安住するための唯一の手段であると考えられている。


25話 壁 ストヘス区急襲(3)

壁(1)

784年、うだるように暑い日の夜、一人の坑夫が地下から壁を越え、ウォール・シーナに入ろうと試みた。ウォール・シーナに行けばいい暮らしができるかもしれない--数日前、炭鉱に入って円匙(えんし:シャベル)を振るっているときに突然そんな考えが坑夫の頭に浮かんだ。それはある意味においては啓示と言ってもよかった。それから坑夫は何日かかけて歩き回り、壁沿いに密生する森の中に掘削地点を定めた。そこならまず誰も来ないし、頭上を覆う葉っぱが壁上で監視に立つ兵士から穴を掘る自分の姿を隠してくれるはずだ、彼はそう考え、翌日の夜を決行日とした。坑夫は使い慣れた大きな幅広の円匙で地面を掘った。作業は順調に進んだ。穴の深さはすぐに自分の背丈を超えた。すくい上げた土を外に放り出せなくなると、土を布の袋に詰め、梯子(はしご)を上って外に捨てた。時折水を飲み、凝り固まった筋肉をほぐすとき以外は掘ることに没入した。

穴を掘るという行為に対して、坑夫は絶対的な自信を持っていた。彼は二十年間休むことなく穴を掘り続けてきたのだ。そしてその間に彼は誰よりも深く早く、効率的に穴を掘る術を身につけた。誰もが手を焼くひどくやっかいな坑道でも、坑夫にかかればあっという間に道が開けた。その日は少し様子が違った。何時間掘り続けてもまるで先が見えてこないのだ。途中で何度か横に円匙を入れてみたが、無駄だった。壁の基礎はどこまでも深く地中に根を下ろしており、坑夫の行く手を阻んだ。それでも坑夫は決して諦めることはなかった。何がなんでもウォール・シーナに行きたかったからではない。そのときにはウォール・シーナでの暮らしなんてどうでもよくなっていた。坑夫はただ壁を征服してやりたいと思っていただけだ。穴を掘り続けた俺の二十年をかけて、絶対にこの壁を越えてやる。ひっきりなしに流れ出る汗を拭(ぬぐ)いながら、坑夫はそう心を決めた。円匙の先が固い岩盤に当たったのは坑夫が自分の背丈の四倍か五倍以上は掘った後のことだった。岩盤?と坑夫は思った。それは地中に根をおろした壁の基礎と同じ材質で出来ているようだった。坑夫は岩盤に力いっぱい円匙を振り下ろした。岩盤には傷ひとつつかず、円匙の方が壊れてしまった。坑夫はこれまで二十年かけて掘ってきたどの穴よりも深く大きなため息をついた。

 

壁(2)

「壁?」、坑夫の友人はいくらか怪訝(けげん)な顔でそう訊(き)いた。「変な話だろう」と坑夫は言った。そして一口酒を飲んだ。「地面の中にまで壁があるなんてな」二人は場末(ばすえ:町はずれ)の酒場の集まった場所にあるテーブルに向かい合って座っていた。坑夫はたいてい仕事の後で唯一の友人である彼とそこで酒を飲んだ。その日(というのは、坑夫が壁を抜けようとした翌日のことだが)も坑夫は仕事が終わるとどちらから誘うというわけでもなく彼と酒場に入り、そこで昨夜の出来事を打ち明けた。この友人なら誰かに漏らすこともあるまいと思ったのだ。「俺たちはもしからしたら地上だけじゃなくて、地下までも壁に囲まれているのかもしれないな」と坑夫は言った。「なあ、そもそも、壁ってのはいったい--」友人は咳払いをして坑夫の言葉を遮り、そして酒場の中を見回した。酒場にいる客たちは酒を飲んだり、看板娘を口説いたり、大声で喋ることに忙しいらしく、彼らを見ている者は誰もいなかった。それでも坑夫もそれ以上壁について話すことをやめた。もし誰かに聞かれでもしたら、あっという間に憲兵が来ることになる。

「まあいいじゃないか」と友人は気を取り直して言った。「これまで通りここで暮らせばいい。貧乏に変わりはないけど、毎日仕事があって酒が飲める。それで十分だ、そうだろう?」「ああ」と坑夫は言った。「その通りだ。また地道に穴を掘るよ。結局のところ、俺にはそれが似合ってるんだろう。しかし翌日、坑夫は仕事場に姿を現さなかった。次の日も、その次の日も坑夫は仕事に来なかった。坑夫の友人は何度か家を訪ねたてみたが、いつ行っても坑夫はいなかった。また坑夫には親兄弟も連れ合いも親しく付き合っている人間もいなかったから、彼の行方に心当たりのある人間はひとりも見つからなかった。坑夫の友人はどうしようかと迷ったが、やはり坑夫の試みも含めたすべての出来事を駐屯兵団に話した。そうして翌日から駐屯兵団と憲兵団による大々的な合同捜索がはじまった。それは一人の貧乏な坑夫--地面を掘って壁を抜けようと試みた犯罪者ではあるが--の行方を捜すというにはいささか大仰(おおぎょう:大がかり)にすぎるものだった。なぜ彼らがそこまでやっきになるのか、坑夫の友人には理解できなかった。しかし坑夫はとうとう見つからず、彼が掘ったという穴もついに発見されることはなかった。そしてまた坑夫の友人もある日忽然(こつぜん:突然)と姿を消し、その行方は現在も不明のままである。

 

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